2019年12月8日、日光サンガ「気づきの日」の瞑想会が開かれました。
まず始めに、日本、韓国、アメリカ・ワシントンとがZoomで繋がり、アンフーンさんの法話がありました。
<アンフーンさんの法話>
親愛なる皆さん、おはようございます。
今日のワシントンは氷点下の寒い一日ですが、ゆっくりと呼吸をして皆さんのお顔を見つめていると、心が暖かくなってくるようです。
皆がこうして、平和と幸せと自由の中に集まっていることにとても感謝しています。
この恵まれた環境に対して、タイ(ティク・ナット・ハン師)や多くの先生方に感謝しています。
私に命を与えてくれた両親、そして、友人、木々や森、川、空、大地、動物達にも感謝しています。
私の心にある幸せや苦しみに対しても、感謝しています。
今ここ、この瞬間は本当に幸せです。
皆さんも、そう感じますか?
こうして皆で座り、身体をリラックスさせて、鐘の音と呼吸に注意を向けるとき、私達の中で純粋な喜びが湧き上がってきます。
この集まりには、お年を召した方から生まれたばかりの赤ちゃんまで色々な年代の人たちがいますね。
私たちは「今ここに存在して、生きていること」を実践しています。
この実践はとても力強く、美しく、心満たされるものです。
赤ちゃんはお母さんのお腹にいる時からプラクティスできます。
またお年を召した方もプラクティスできます。
私達のプラクティスは、どんな立場の人でも実践できます。
私達のプラクティスは、心を身体に戻すこと、今ここを十分に味わうことです。
考えたり、悩んだり、怖れることを止めることで、心は平和や喜びに満たされます。
そして私たちは、プラクティスを通して感じる平和や喜びは、私たち自身だけのものではなくて、私たちの愛する人達のものでもあると感じることができます。
私たちが呼吸を感じるとき、私たちはお母さんに幸せを伝えることができます。
「お母さん、私は幸せだよ」
そして、お母さんも幸せになります。
もし、私たちの息子が苦しみの中にいて笑うことができないときに、私たちはマインドフルな呼吸をして、微笑みを息子に手渡すことができます。
ですから、このプラクティスは私だけのため、あなただけのためではなく、私たちが気にかけているみんなのため、そして、花や動物や水や大地、地球環境のためのプラクティスです。
それでは、心地良く感じられるように姿勢を正して下さい。
鐘の音について少しお話します。
最初に鐘を半分招くのは「WAKE UP」と言って、心があちらこちらに彷徨うのを止めて今この瞬間に戻すことを促してくれます。
それから、鐘を3回招く音を聴きながら、自然で落ち着いた静かな呼吸を味わってください。
吸う息と吐く息それぞれに気づきのエネルギーを向けてください。
(座る瞑想の実践)
このように、私たちはプラクティスによって5分でも10分でも、平和や喜びを感じながら座ることができます。
あなたは平和を作り出そう、幸せを作り出そうと考える必要はありません。
そこにただ座って、息を吸って、息を吐き、呼吸に気づいていれば、自然と幸せと平和はそこにあるということに気づいていきます。
私たちは一生懸命に相手に話したり、相手の話しを聞いたりしていますが、それでもなお、私たちは相手との繋がりを感じたり、相手に親しみを感じることは難しく思っています。
その代わり、話したり、聞いたりすることなく、静かに座って、一緒に呼吸をするだけで、身体はリラックスして、心は落ち着いていきます。
お互いに深く繋がっていることを感じます。
相手の話しを深く聴くことが容易になり、また相手に愛を込めて話すことができるようになります。
それが瞑想の醍醐味です。
そして、私たちが自分の内側と深く繋がること、つまり、私たちの心の中で何が起こっているのか、私たちの身体の中で何が起こっているのかを知ることで、私たちは周りとも深く繋がることができます。
私たちが吸う息と吐く息に十分に繋がることで、身体と心を一つに繋げることができます。
ここで、真っ暗な部屋を想像してみてください。
真っ暗な部屋に入ると何も見えません。
そこでライトを付けると、部屋の中の様子が見えるようになります。
マインドフルな呼吸はこのライトのようなものです。
彷徨う心が今ここに戻ってきて、自分の感情や感覚、意識を認識し、身体と心が一つに繋がります。
そして、自分が大切にしている人と繋がっていきます。
暗闇の中で歩くのは危険です。
ライトを付けて歩くのは安全です。
マインドフルネスとはそのライト、光です。
私たち一人ひとりにはその光を灯す力を持っています。
光を灯す力を強めるのはマインドフルネスのプラクティスを通してです。マインドフルな呼吸を通してです。
私たちは絶えずに何かを行ったり、何かを話したりしていますが、そのことがさらなる苦しみをもたらしてしまう、ということに気がつきませんか?
それはなぜなのでしょうか?
<次回に続きます>