2019年7月14日日曜日

日光サンガ 7月の「気づきの日」瞑想会の報告(3)

(アン・フーンさんの法話の続きです)

もう一度繰り返しになりますが、世界に安全で安心できる場所というのはそんなに多くはありません。ですから、私達の究極的な願いというのは、安全で安心できる場所を作るということです。ただ、サンガを安全で安心できる場所にするためには、リーダー一人で出来ることではありません。そこにいる一人ひとりがプラクティスをすることで、みんなの力によって、その場が安全で安心できる場所になるのです。5つのマインドフルネス・トレーニングを学び、プラクティスをすることがそこで安全で安心できる場所になる助けになります。

想像してみてください。小さな子供達はそこが安全で安心できる場所であれば、自然に歌いだしたり、踊ったりします。しかし、そこで安全や安心を感じることが出来なければ、静かに小さく縮こまってしまいます。サンガでも小さな子供達が歌ったり踊ったりできるような安全で安心できる場所にすることが必要です。それが本当に癒しになるからです。時々、50代60代の方がサンガにやって来ます。彼等は子供の頃から今まで、歌ったりすることがありませんでした。彼等は子供の頃に「あなたは歌が下手だ」と非難され、それ以来歌うことを止めてしまったのです。そんな彼等がサンガに来て、安全で安心できる場所の中で再び歌ったり踊ったりすることが出来るようになるのです。

こんな話しがありました。サンガに50代後半の女性が来ました。彼女は介護中の母親にハグをすることが出来ませんでした。なぜなら、彼女と母親との間に大きな苦しみがあったからです。しかし、サンガに来たあと、彼女は家に帰って母親と初めてハグをしました。そして、その日の夜、母親は亡くなりました。彼女はこれまで何年も母親とハグをするための方法を探していました。しかし、見つかりませんでした。そして、サンガに来たことによって、彼女はついに母親とハグをすることが出来ました。それがサンガの奇跡なのです。
ですから、もし、あなたがサンガを作って、何年経っても、4、5人しか集まらなかったとしても、大丈夫です。心配しないで下さい。そのサンガが幸せでリラックスできて、安全で安心できる場所であるのならば、それは素晴らしいことです。ぜひ、サンガを続けてください。もしかしたら、私が先ほど話した女性のように、誰かがあなたのサンガに来たことで母親と初めてハグ出来るようになれるかも知れないからです。その誰かはまだサンガには来ていないかも知れません。だからこそ、その誰かのために、安全で安心できるサンガの土壌を耕し、うるおしてください。
私の人生を振り返ってみると、私の人生の中で最も意味のあると思えたことは「サンガを作った」ということでした。
そして、サンガの中には奇跡があります。その奇跡は私達が知っていることかもしれないし、まだ知らないことかもしれません。皆さん、画面を見てください。モモさんが赤ちゃんを抱きしめていますね。モモさんが今、赤ちゃんを抱きしめている。これがサンガの奇跡なのです。
(筆者注:モモさんは、産後、大きな苦しみの中にいましたが、サンガの励ましと、モモさん自身のプラクティスにより、その苦しみを乗り越えて、今は赤ちゃんと幸せな日々を送っています)

皆さん一人一人の中にある幸せや喜び、心地良さは、3年前のモモさんの中にもありました。
そして、3年前のモモさんの中にあった幸せや喜び、心地良さは、今、モモさんの隣にいる赤ちゃんにも引き継がれました。それは、「このようになりたい」という望みと繋がっています。ですから、皆さん、夢を持ち続けてください。そして、その夢を毎日思い出してください。そして、一歩一歩の歩み、一つ一つの呼吸の中にある奇跡を見失わないで下さい。なぜなら、一歩一歩の歩み、一つ一つの呼吸はその瞬間にしかないからです。

(法話終わり)



法話が終わり、片づけをしようと目をやると、驚いたことがありました。
今朝、自宅の庭で百合の花を切って、一輪挿しに入れて、サンガに持って来たのですが、百合の花の3つのつぼみのうち、1つしか咲いておらず、2つは閉じたつぼみのままでした。それが、法話が終わると、いつの間にか3つとも完全に咲いていたのです。2つの閉じたつぼみがいつ開いたのか、分かりませんが、法話の最中に少しずつ開き、法話の終わりには完全に開いたようです。
まるで、サンガの奇跡がここでも起きたようでした。

 その後、食べる瞑想を行いました。家族が準備してくれたお弁当のフタを開けると、ご飯がちょうど七夕の夜空(天の川をはさんで、織姫と彦星)のように飾られていました。
家族の暖かい心遣いに感謝しながら、一つ一つを味わって食べました。


歩く瞑想では、会場の近くにある光明寺まで歩きました。光明寺の不動明王像の足元には感満石(触れながら心を込めて願い事をすると、その願いが満たされる石)がありました。七夕の日にピッタリの石だね。と皆で言いました。丸い石の手触りが心地良く感じられました。 




お寺の裏手にある巨木の根元でマインドフルネス体操を始めましたが、雨が強く降り出したので、会場まで戻って、この日は和室で体操をしました。


最後のダルマ・シェアリングでは、メンバーの方が、日光サンガに参加するようになって、自宅でも瞑想に取り組み、人生の流れが変わったことをシェアしてくれました。
小さいグループながらも、日光サンガを始めたことで、メンバー一人ひとりの幸せや喜びを育むことが出来て本当に良かったと思いました。


瞑想会の後は、都合の良い方は近くの温泉(松島温泉乙女の湯)に行って、ぬるめの温泉で、ゆったりとした時間を過ごしました。

次回の瞑想会は8月4日(日曜日)です。
皆さまの参加をお待ちしております。