2018年9月14日金曜日

プラムヴィレッジ・タイランド コアサンガ・リトリート報告~7

更新が遅くなりましたが、プラムヴィレッジ・タイランドの滞在記の続きを書きます。
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プラムヴィレッジ滞在7日目、この日は大晦日です。
朝、5つのマインドフルネストレーニングの受戒式が開かれました。

私も今回のリトリートで戒を受けました。


受戒証には、それぞれにダルマネーム(法名)が付けられます。
戒を受ける申請をする際、マインドフルネストレーニングを通して自分自身がどうなりたいかの決意文を書くのですが、その文章を読んで、ダルマティーチャー達がその人に相応しいダルマネームを付けてくれます。

私のダルマネームは、「Great Aspiration of the Heart」でした。

受戒式の後は、仏教の伝統的な方式に則って、本堂で朝食を頂きました。出家者の男性、出家者の女性、在家者の男性、在家者の女性の順に一列になり、鉢に食事を取り、本堂に整列して座り、厳かな雰囲気の中で気づきを保ちながら、食事を頂きました。


この日の午後は、ダルマファミリーでプレゼント交換をする日です。
それぞれが持ち寄ったプレゼントを輪の中央に集めて、抽選で決まった最初の人がプレゼントを受け取り、シェアリングをして、次の人に輪の中央にあるプレゼントを1つ渡して、次の人がシェアリングをしていくという流れです。


私は若いブラザーからプレゼントを受け取り、シェアリングの後、プレゼントをシスターに渡しました。
(シスターに渡したのは、自分が日本で買った喜連川温泉のオリジナルタオルでした)

それぞれが、このリトリートを通した体験などをシェアしてくれました。
皆にプレゼントが渡ると、今回のリトリートのファミリーは解散になります。
7日間も共に過ごし、思ったことや感じたことをお互いにシェアできた皆と解散するのは名残惜しいですね。

解散の後、自分が受け取ったプレゼントの包みを開けると、可愛いキャンドルと手紙が入っていました。
シスターからのプレゼントでした。


この日の夜は、一人一人がキャンドルを持って、タイ※(ティク・ナット・ハン)の邸宅に向かいました。
(※プラムヴィレッジではティクナットハン師のことを、親しみを込めてタイ(ベトナム語で「先生」の意味)と呼びます。
 この記事でも、タイと書かせて頂きます。)
邸宅の前で皆が持ってきたキャンドルで「Walk with Me」の文字を書きました。
そして、その隣にあるかがり火の中に、2018年、新年の抱負を書いた紙を入れます。
私は、「妻と2人の娘を愛し、共に生きる」と書いた紙を手に持って、かがり火の前に立ちました。
心の中に家族の姿を思い浮かべ、祈りを込めて、その紙を火の中へと入れました。



キャンドルで書かれた文字と、かがり火を見つめながら、しばらく時を過ごしました。

ふと、タイの邸宅の近くに人が集まっているのに気付きました。
もしかしたら、タイに会えるかも知れないと思って、私も邸宅に近づいていきました。
邸宅のすぐ近くに腰を下ろして、邸宅の方を見つめていました。
邸宅は電気が消えていて、人影が微かに見えるだけでした。


邸宅の方からシスターの声が聞こえました。
「何か歌を歌ってください」

そこで、邸宅の前に集まった皆でプラムヴィレッジの歌を歌いました。
すると、邸宅の方から、
「中国語と日本語の歌も歌って下さい」
と言われました。

中国、香港、台湾サンガのメンバーが I have arrived の中国語版を歌いました。
その後は日本語の版だと思いました。
そこで、私は I have arrived の日本語版『私は着いた』を歌いました。

ここに着いた おかえり 今に
ここに着いた おかえり 今に
山のように はるかな じゆう
探すことなき ここは ふるさと

歌い始めてからすぐ、日本語の歌を歌っているのは私だけだということに気付きました。
周りは真っ暗で気付かなかったのですが、タイの邸宅の前にいる日本人は私だけだったようでした。
私一人で歌うのは心細く感じたのですが、最後まで歌うことにしました。
すると、邸宅の方から、何か大きなエネルギーが伝わってくるのを感じました。
タイは私の歌を聴いているのでは?と感じました。
この大きなエネルギーに圧倒されそうでしたが、私は手を合わせ、精一杯この歌を歌いきりました。

私が歌い終わると、しばらく静寂が続きました。その後、近くにいた子供達が I like the roses を歌い出し、私も一緒に歌いました。
その歌が終わると、邸宅にいたシスターが「皆さんの歌を聴いて、タイはもう眠りにつきました」との話があり、結局、タイに直接お目にかかることは出来ませんでしたが、私の歌がタイの耳に届いたことは確かでした。

2017年の最後の一時は、全員が本堂に集まり、瞑想しながら2018年を迎えました。
新年の到来を、このリトリートを最後まで共に過ごしたサンガの仲間達と祝いました。




(Seiji@日光サンガ)


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