2018年9月13日木曜日

日光サンガ 9月の「気づきの日」瞑想会の報告

9月9日、日光サンガ7回目の「気づきの日」が開かれました。

今回も日光市の高徳寺の客殿を使わせて頂きました。
午前中のアンフーンさんの法話の前に、先日の台風21号と北海道の地震で被災された方々のために祈りの時間を設けました。
アンフーンさんの招く鐘の音を聴きながら、全国のサンガのメンバー全員が自分の呼吸に立ち返りました。
座る瞑想をし、身体と心に落ち着きが広がった所で、被災された方々の苦しみを思い起こしながら、その苦しみが少しでも癒されるように祈りました。


法話では、正しさと平和をどのように両立させていくのか?という質問に対して、
人が自分の見解の正しさや正義に拘り、頑なになっているときは、その裏には、その正しさが傷ついてしまうことに対する大きな不安や怖れがあること、
お互いが正しさにこだわり、頑なになったときには、自分自身や相手が抱えている不安や怖れ、幼少時代のトラウマなどを理解するように努めるように教えて頂きました。

法話の後は、食べる瞑想、歩く瞑想、座る瞑想と続きましたが、今回は仕事や体調の関係で、欠席されたり、途中で帰られる方が多く、午後2時過ぎからは私を含めて2人だけのプラクティスになりました。
2人だけでプラクティスが出来るのか不安でしたが、その不安はまったくの杞憂に終わりました。

これまで通りに、歩く瞑想、座る瞑想を行い、その後は、ダルマシェアリングの代わりに2人でこれまでのプラクティスを続けてきて感じたことなどを対話する流れになりました。

5つのマインドフルネストレーニングについての話しから始まり、四聖諦、八正道について感じたこと、正見の難しさ、日常生活で抱えているブッダの教えとの葛藤、戒律との葛藤、瞑想実践を続けていく上で感じている不安や葛藤など、
これまでのサンガではあまり表に出すことが出来なかった話題を、お互いに遠慮無く、正直に話すことが出来ました。

気がついたら終了予定時刻の5時を過ぎていて、それでも話し足りないくらいでした…。

2人だからこそ、出来ることもあるのだと感じました。
(大人数だと、話題から外れる人のことが気になり、ここまで踏み込んだ話しをするのがはばかられるので…)

結局、2人の間で出した結論は、私達は、ブッダの教え、戒律、マインドフルネスと日常生活との葛藤の中でプラクティスを続けるしか無いということでした。
そこには、迷い、不安、怖れが生じますが、そこから目をそらさず、忍耐して、地道に実践を続けるしか無いのだということでした。
もし、ブッダの教えを知らず、無明そのものとして生きれば、ある意味では、迷いは無いのかも知れません。
蚊やゴキブリを殺すのに迷いも葛藤も無いでしょう。
ブッダの教えを知ったが故に生じる、迷いや葛藤を引き受けることが実践なのだということでした。
私自身も、不殺生戒を守ろうと努力し、公園で蚊に刺されても、蚊を殺すことはしません。ただ、自宅の中に一匹の蚊が入り込むとそこには葛藤が生まれます。睡眠時間を削られることへの怖れ、子供達や妻が刺されるのを見過ごして良いのかという葛藤が生まれます。殺しても苦しいし、殺さなくても苦しいのです。

大人数で瞑想をしてマインドフルネスの大きなエネルギーに包まれるのも素晴らしいし、
少人数でお互いに胸を開いたざっくばらんな話しをするのも素晴らしい。
サンガにはその時に応じて色々な形でプラクティスを出来るのだと思いました。

参加して下さった皆さま、ありがとうございました。

(Seiji@日光サンガ)

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