2019年8月9日金曜日

日光サンガ 8月の「気づきの日」瞑想会の報告(1)


2019年8月4日、日光サンガ「気づきの日」の瞑想会が開かれました。
午前中はアンフーンさん、トゥさんの法話とディープリラクゼーションが行われました。


法話の前に東京のサンガが鐘を3回招き、Zoomで繋がった全員で呼吸に帰りました。

(アンフーンさんの法話)
親愛なるタイ(ティク・ナット・ハン師)、サンガの皆さん、おはようございます。
現在、私のいるワシントンDCでは夜の10時です。あたりはすっかり暗くなりました。
ですが、画面越しにみる日本はまだ明るいですね。まだ午前中だと分かります。
ですから、私は「おはようございます」と挨拶をしました。

もし、今、私が「こんばんは」と挨拶したら、どう感じますか?
ちょっとおかしいですよね。
「おはようございます」「こんばんは」という言葉は私達が挨拶をするための言葉、道具です。
形式としてまずは挨拶をしましたが、どのような挨拶の言葉を交わしたとしても、私の気持ちとしては、こうして、また出会えたことが嬉しいのです。

夜の次に朝が来て、朝の次に夜が来ます。

一番大切なことは、こうしてお互いに顔を見て、お互いの存在を認識することです。
画面越しにお互いの顔を見るだけでも、幸せを感じます。

私達が住む地域、ワシントンDCでは毎週木曜日の夜、サンガを開いて集まります。

20年前からサンガに通う友人がいました。
ある時、彼は遠くに引っ越して、さらに仕事が忙しくなり、毎週木曜日のサンガに来られなくなりました。
しかし、数か月前に彼は定年退職して再び私達の地域に戻ってきました。
彼は毎週木曜日のサンガに再び参加しました。
彼はサンガに久しぶりに参加して、とても驚きました。しかも、あまり嬉しくはありませんでした。

なぜなら、7時半の瞑想の時間に、90%の人達が床に寝ていたからです。
座って瞑想しているのは2、3人だけでした。残りの全員は床に寝ていたのです。
その様子を見て、彼は嬉しく思いませんでした。

20年前、夜の瞑想では全員が座って瞑想をしていました。床に寝る人は誰もいませんでした。
しかし、20年後の今では、ほとんどの人が寝ながら瞑想をしています。とても快適だからです。
彼は、私達のことに好意を持っていました。法話やサンガ作りの活動にも好意を持っていました。ですが、瞑想の時間に床で寝ることには嬉しく思いませんでした。彼はそのことを表現することが出来なかったのですが、ある日のサンガの最後にあったダルマシェアリングで、彼はそのような嬉しくない気持ちを感じていることをシェアしてくれました。

彼は、瞑想の時間に寝ていることに対して、私が許していることに嬉しくない気持ちを感じていることをシェアしてくれました。
さらには、私自身も寝ながら瞑想していることに嬉しくない気持ちを感じていることをシェアしてくれました。

彼が言うには、「夜7時半に寝ながら瞑想しては、家に帰った時にもう寝られなくなる」ということでした。
しかし、寝ながら瞑想していたサンガのメンバーのお話では、「夜7時半に私達はこうして寝ながら瞑想することで、家に帰っても一週間のうちで最も深い眠りに入れる。だからサンガのある木曜日の夜が一番好きだ」ということでした。

サンガメンバーの多くは平日、休む間もなく働いています。ですから、私はサンガの仲間達に休む時間を提供したいと思いました。だからこそ、瞑想の時間に寝ることを許しました。
木曜日の夜にゆっくり休む時間を提供し、深く眠る機会を提供することで、金曜日にもうひと頑張りして、週末には家族や友人と楽しい時間を過ごせるようにしたかったのです。

サンガメンバーの話しでは、「この木曜日のサンガに来られなかった時は、ストレスが解消されずに、イライラして家族と喧嘩することがよくある」ということでした。

一週間に一回、2時間のサンガに来ることだけでも、皆さんの中に平和や調和が生まれるのです。

そのような話しを友人に伝えましたが、それでも彼は「寝ながら行う瞑想よりも、きちんと座って行う瞑想の方が良い」という考えを信じ続けました。
彼の考えでは、「座る瞑想を続けることで悟りを得ることが出来る、それが目的なのだから座るべきで、もし、寝てしまったら、悟りを得ることなど到底できない」ということでした。

その話しを聞いて、私は彼に伝えたことは、
「もし、あなたがとても疲れていて、多くのストレスも抱えている。そんな状況だったら、あなた自身も悟りを得ることが出来るのですか?」
「ブッダも悟りを得るためには、まず身体を大切にしなければ何も始まらないと言っています。
ブッダ自身も身体を大切にしていて、全ての出来事は身体から始まることを、多くの人に説いていましたよ」
ということでした。

それでも彼は、「もし、丸一日の瞑想会があるのであれば、最初に横たわって身体を休める瞑想から始めることも良いでしょう。しかし、平日夜の短い時間の瞑想会なのに、寝ることはふさわしくないでしょう」と、自分の考え方にこだわっていました。

その話しを聞いて、私が彼に伝えたことは、
「平日夜の瞑想会では、サンガメンバーがゆったりと身体を休める機会を提供したい。それが私の意図なのです。サンガメンバーはリラックスして安心できる場所を求めています。身体はゆったりと休みたいのです。その内なる願いに応えたいのです」
ということでした。

私達の内側には小さな子どもがいます。もし、その内なる小さな子どもがリラックスした時間を過ごすことが出来なければ、私達はイライラして、自分の子どもにも怒りをぶつけてしまうかも知れません。
もし、私達の内なる小さな子どもをリラックスさせることが出来れば、自分の子どもにもリラックスした環境を与えてあげることが出来るでしょう。

私は別の友人の話しもしました。
「彼の自宅には豪華なベッドが置いてありますが、彼はその豪華なベッドに横たわっても、眠ることが出来ません。しかし、サンガに来た日の夜はぐっすりと眠ることが出来ます。
サンガの安全で安心した環境の中で、彼は自宅のベッドの上よりもゆったりと休むことが出来るのですよ。」

最終的に彼は100%納得はしなかったのですが、状況は理解してくれました。
それでも、「瞑想は座って行うべきだ」という考えを手放すことはありませんでした。


全てのサンガは異なります。私達のサンガでは安全、安心な環境の中で、皆がリラックス出来、その瞬間を味わえるように手助けしています。
もし、私達が自分の考えにこだわりを持っていて、怖れを持っていれば、苦しみます。

正式な実践方法があらゆる面でベストの実践方法とは限りません。もし、実践者がリラックスして、安全、安心を感じ、自分の中に平和を見つけることが出来るのであれば、それがその方にとってのベストな実践方法です。

私はトータルリラクゼーションの後に、短い座る瞑想を行います。すると、ゆったりとリラックスした状態で、地に足が付いた状態で、今この瞬間に立ち返ることが出来ます。
しっかりと休むことで心がクリアになります。マインドフルな呼吸、マインドフルな歩み、マインドフルな動作を自然と無理なく行えるようになり、そこには喜びが生まれてきます。

それでは、皆さんも横たわって、身体をいたわり、身体と友達になりましょう。
まるで幼い子供のように、サンガの揺りかごの中で、安全安心の場所で、ゆったりと横になってください。

(法話終わり)


(次回に続きます)